• テキストサイズ

ONLINE GAME

第9章 狂った世界。



「やぁ、お嬢さん目が合ってしまったね。」

そこには小柄な少年が居た。
キレイな金髪に右目は緑、左目は青というオッドアイ。
整った顔立ち。

でも、なぜだか、
ぞっとするような何かを放っていた。

思わず立ち止まってしまった。

「…っ!!!!!雛!!!!!」

すぐさま優月さんが私の方へ引き返してきた。

「…やぁ。君はまた久しい人だね。元気にしていたかい?」
その少年は優月さんを見ると微笑んだ。

「貴様っ!!!!ここで何してる!!!!」
優月さんは剣を構えた。

「待て待て、今日は戦うつもりはないんだ。僕はね、散歩を楽しんでるだけだよ。」
少年は手をブラブラとさせ、
何も武器を持っていない事をアピールした。

「…っ!雛、陽、律さん。先に行け。」

私たちは走ろうとした。
が、身体が動かなくなった。

「待ってよ。僕はね、その最後尾を走ってた栗毛の彼女と少しお話がしたいんだ。」

「…っな!お前とする話などない!」
優月さんは少年を睨みつけた。

「…君は少し五月蝿いよ。僕は君と話したいわけじゃないんだ。黙っててくれ。」
少年が優月さんを睨みつけると、
たちまち優月さんは動けなくなった。

「…っ!!!!」

「そうだ。それでいい。それで、お嬢さん。あなたと話がしたい。」
そう言って少年は私の方へ歩み寄った。

逃げたいと思うのに
足は動かず、身体は彼の方を自然と向いた。

まるで操られているように…。




/ 198ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp