第9章 狂った世界。
とりあえずの自己紹介も終わり、
律VS陽の状況も収まったので
話は本題に移った。
陽くんは、初期スキルは大体覚えたとの事だった。
当初もっと時間がかかる予定だったが、
陽くんはものすごく覚えが早かった…とか。
そして、
ここからが悪い話だった。
"ハコブネ"の村雨エリが動き始めたそうだ。
そして、今まさに、
この土地、
フローライトに居るそうだ。
が、今日は私も、陽くんも
既にMP(マジックポイント)が枯渇しているために
戦闘にならないので、
予定どうり明後日。
潜伏場所があるであろう
"カルサイトの森"に向かう事になった。
明後日には『カズトラ』さんも合流するそうだ。
私はなんだか緊張していた。
話し合いが終わると、
私たちは訓練所を出た。
町はさきほどより、
なにやらどんよりとした空気に包まれていた。
「…嫌な感じがする。」
蘭丸さんはそう言って、
ブラインドスキルを使い、姿を消した。
「…教会に急ごう。」
優月さんは律さんの武器を担ぎ走り出した。
律さんは何かを言いかけたが、
すぐに私たちの後に続いて走り出した。
私は優月さんの指示で
律さんの後ろを走った。
・・・。
背後からゾクっとする何かを感じた。
振り向いてはいけない。
本能はそう言っていた。
でも
私は
振り向いてしまった。