第9章 狂った世界。
「よっ!待たせたな!りっちゃん!黒雷ちゃんだぜ!」
蘭丸さんはニヤニヤとしながら律さんを見た。
なぜか、
律さんは私の後ろに隠れた。
「り、律さん!?」
私は驚いて律さんを見た。
「ど、ど、ど、どうしよ!雛ちゃん。思った以上に…」
律さんはなんだか震えていた。
優月さんと陽くんが怖いのかな…?
「思った以上に…カッコイイ!!!!!」
律さんはそう言って優月さんを見つめていた。
「は、はぁ。」
私は思わずそんな可愛い律さんを見て微笑んでしまった。
「あ?なんだその小さいの。小学生か?」
陽くんは私の後ろに隠れている律さんを覗き込んだ。
「っな!!!!!何このクソガキ!!!まじムカつく!」
律さんは私の後ろからギャーギャーと怒った。
「あ?小学生にクソガキ呼ばわりされたくねぇよ!」
陽くんもギャーギャーと怒った。
「こら!陽!女の子に失礼だろ。謝れ。」
優月さんは陽くんの頭をコツンとゲンコツした。
「いってぇ!でも、おっさん!こいつどう見ても…」
陽くんは律さんを指差しながら優月さんを睨んだ。
「すいません。うちのバカが…黒田優月です。」
そう言って優月さんは律さんに手を差し出した。
「…あ…朝比奈…律です。」
律さんは目が完全にハートになっていた。