第3章 第三章
・・・・・・宗次郎だいじょぶやろか?
わいは走ってさっきの薬屋へ向こうた。
宗次郎の姿が見えたさかい何気のう追うてみたらこない事になってもうてちぃとばかしたまげたわ。
・・・・・・宗次郎・・・・・・姉ちゃんはどないしたんやろ?
あの気丈な姉ちゃんやさかい、宗次郎が危険に飛び込もうとしたら自分も来るはず・・・・・・なんかあったんやろか?
それか宗次郎が勝手に姉ちゃん寝とる時間に起き出して藤宮んとこ来たんやろか?
まぁ今の時間姉ちゃん寝とってもおかしくないわな。
薬屋の看板が見えてきた。
「たのもうぅ!!警察ですー」
玄関を叩くと中から顔を出してくる店主。
「お待ちしておりました、どうぞ」
わいの顔を見てすぐ中に通してくれる店主。
宗次郎が布団の上に寝かされ店主の嫁はんに手厚く介抱されとった。
「お客さん、こんなにお金受け取れないのでお返しします」
店主はわいに金を返してきた。
「要らん要らん。どうせ警察の金や。わいの金やないから受け取りぃな」
「でも・・・・・・」
「要らんって・・・・・・」
わいは宗次郎の近くに腰を下ろした。
「宗次郎の容態は?」
「解毒薬が効き始めたようです。今は眠っておられます」
「手ェの薬品はどない?」
「少し濃い目の塩酸をかけられたみたいですね。手当てしておきました。中和させたので大丈夫でしょう」
「はぁ・・・・・・宗次郎・・・・・・こない心配かけさせおって・・・・・・」
「明日には完全に体内から毒が消え失せると思います。明日までここで介抱しますね。お客さんも夜遅いですからお眠りになられた方がいいですよ」
「せやな。宗次郎を任せるわ。ここがいっちゃん安全そうやし」
「え?」
「なんでもあらへん。ほな、わいは帰るわ。宗次郎のその刀、起きたら宗次郎に渡してな。二振りともな。ほなな」
「お客さん、このお金・・・・・・」
「要らん」
わいは走って薬屋を出た。
警視を手伝うちゃるか。
わいは警視の元へ走った。