第3章 第三章
張さんに見送られて30分くらい馬車に揺られて警察署についた。
毒が体を巡っていてかなり苦しい。
息がしにくい。
宗次郎の事を朦朧とする意識の中想っていた。
宗次郎・・・・・・過去にどんな事をしていたの・・・・・・?
警察に追われるって事は・・・・・・悪事を働いていたの・・・・・・?
でも私、宗次郎の事を嫌いになる事は絶対無いよ。
絶対!!
「大丈夫ですか、お嬢さん」
警官の人が私の腕を優しく掴んで馬車から下ろしてくれる。
「ありがとうございます・・・・・・」
「早く解毒薬を!!」
「はい!!」
もう一人の警官が馬車から下りて解毒薬を取りに行く。
「もう少しの辛抱ですよ」
意識が・・・・・・朦朧として・・・・・・。
もう耐えられない・・・・・・。
ガクンッ。
「大丈夫ですか!?」
私は地面に崩折れた。
息が上がる。
視界がだんだんぼやけてく・・・・・・。
「大丈夫ですかお嬢さん!?」
大丈夫じゃないです・・・・・・。
でもそんな事言ったら心配かけてしまう。
私の体・・・・・・どうか・・・・・・解毒薬が届くまで持って。
逝かないで。
どうか・・・・・・!!
こんな所で死ぬわけにはいかないの!!
一生宗次郎の傍に居るって決めたの!!
宗次郎とこれから一緒に生き続けていくんだから!!!!!!!!!!
こんな所で死ぬな!!!!!!!私!!!!!!!!!!
ふっと胸に炎が灯ったように生命力が湧いてきた。
あれ・・・・・・?
息が・・・・・・できる・・・・・・。
ちゃんと息ができる・・・・・・。
体も少しだけ軽くなったみたい。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です」
私は立ち上がった。
体から生命力が溢れてくる・・・・・・!!
これが「生きたい」と願う底力・・・・・・!!
ありがとう宗次郎・・・・・・。
あなたの事を想うだけで、あなたと共に生きたいと願うだけでこんなに生命力が湧いてくる。
ありがとう・・・・・・。