第3章 第三章
〈張 目線〉
わいが走って藤宮の元に駆けつけると、業火はめ組によって消されていて煙が辺りに漂っていた。
「張君!!君かね、藤宮医師に手錠をかけたのは」
警視がおってわいに声かけてきた。
「はい!藤宮は持っとっちゃあかん毒薬を所持しとりました。それにこいつが親玉のようでっせ」
親玉・・・・・・和泉守兼定を追っちょる親玉・・・・・・。せやから宗次郎に毒を盛った・・・・・・。
「そうなのかね!?」
「間違いありまへん」
「ほう・・・・・・本当だ・・・・・・なんて危険な薬品達だ・・・・・・」
警視が棚に残った薬品を見て言葉を失うとる。
「張君、火付け犯は見たか?」
「はい、見ました。追いかけましたが見失いましたぁ。あいつ足速いねんもん」
「そうか・・・・・・見失ったか・・・・・・」
「警視、遅くまでお疲れ様ですー。わいはちぃと寄る所がありますさかい、これで」
「ああ、ご苦労だった張君。後は我々で藤宮を署へと運ぼう」