第3章 第三章
「そうじろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
宗次郎を呼ぶ声が聞こえ、
宗次郎は衝撃と共に床を転がった。
塩酸が畳を濡らす。
「チッ」
藤宮が舌打ちした。
「張さん・・・・・・?」
張に押し倒された宗次郎が目を見張って張を見上げる。
張は素早く立ち上がり、
「なにさらしてけつかんねんおどれぁあああああああああああああああああああああああああああああ!!」
と藤宮に斬りかかった。
「うわっ!!」
藤宮が避ける。
しかし張に間合いを詰められる。
張が藤宮に立ちはだかる。
刀をしまって張は素早く手錠を取り出した。
そして藤宮を張り倒し、手錠を両手にかける。
「ぐっ・・・・・・」
「ここまでや藤宮!!観念せい!!」
「おのれっ・・・・・・」
藤宮が悔しそうに張を見上げる。
「ぐあっ・・・・・・!!」
宗次郎が顔をしかめて左手を押さえる。
「宗次郎っ!!」
張が宗次郎に駆け寄る。
ピィーッ。ピィィーッ!!
笛の音が聞こえる。
「こっちだぁ!!」
外で大勢の人の声が聞こえる。
「め組と警察やな。宗次郎、行くで!!」
張が宗次郎を抱き上げ、宗次郎の持っていた和泉守兼定を持って炎の中を駆け抜ける。
宗次郎は張の腕の中でゆっくりと目を閉じ意識を失った。