第1章 第一章
暖かい・・・・・・心にじんわりと染み入る暖かさ・・・・・・。
私は囲炉裏に手を翳して暖まっていた。
「包帯と器もらってきました。服を後でお婆さんが貸してくださるそうです」
宗次郎がにこやかに上半身裸で入ってきた。
私は思わず顔をそらす。
「では、脱いでください」
・・・・・・は?
・・・・・・はぁ!?
「え、何!?」
私は驚いて宗次郎を見た。
「傷口を消毒して包帯を巻きます。僕が脱がせてもいいですか?」
「ちょっと!私の体見る気!?」
「・・・・・・ああ、女性は恥ずかしいんでしたっけ?体見られるのが。本当にすみません。僕、そういうの鈍くて」
宗次郎が私に謝る。
「では、僕が完全に目を閉じて消毒とかするのは大丈夫ですか?その・・・・・・腰巻とかには触れませんし、触れて欲しくない所は手で押さえていただければと思います」
「目を閉じる・・・・・・?何も見ないで治療が可能なの!?」
「はい。僕にも宇水さんの心眼のような事ができるようになりましたから」
「うすい?しんがん?」
「あっ、なんでもないです。こちらの話ですよ。取り敢えず、腰巻と胸を手で押さえていていただけますか?その他の所を治療しますから」
宗次郎が目を閉じた。
宗次郎・・・・・・目を閉じている姿も素敵・・・・・・。
「・・・・・・どうなさいました?」
宗次郎が目を閉じたまま言う。
「あ、ごめん。服、脱ぐね」
私はそわそわしながら服を脱いだ。
宗次郎、絶対目を開けないでよーっ!!
それにしても腰巻ってなんだろ・・・・・・?
ん?
目を閉じたまま正確に治療できるのなら目を閉じてても見えてるって事じゃ・・・・・・!?