第3章 第三章
宗次郎・・・・・・私が勝手に出て行ったら怒るかな?
そうだ、宗次郎は足がめっちゃ速いんだった。
早く出ていかないと、気付かれたら、もし探されたらすぐ追いつかれちゃう!!
私は涙を拭って平成の頃着てた自分の服を全部持って部屋を出た。
暗がりの階段を泣きながら駆け下りる。
ごめん宗次郎・・・・・・最後まで宿代も出せなくて・・・・・・結局宿のお金は私の分まで宗次郎に払って貰う事になっちゃう・・・・・・ごめん・・・・・・。
それと・・・・・・ありがとう・・・・・・。
本当に・・・・・・本当に幸せだった・・・・・・。
涙で視界が滲んでよく見えなくなった。
目を閉じて涙を落とし、宿主さんに見つからないようにそっとそっと玄関を開けた。
そっと玄関の扉を閉めようとした時、
「時音さん!?」
私は固まった。
宗次郎の・・・・・・声!?
私の真横に宗次郎が居た。
「・・・・・・・・・・・・時音さん・・・・・・一体・・・・・・」
宗次郎が目を見開いている。
なんで!?
なんでここに居るの!?
買い物から帰ってきたの!?
でも・・・・・・手に何も食べ物持ってない・・・・・・。宗次郎の右手には和泉守兼定という刀。左側の腰には逆刃刀。
食べ物は・・・・・・?
宗次郎・・・・・・もしかして嘘書いてたの!?
やられた・・・・・・!!
だとしたらなぜ外に・・・・・・ここに居るの!?
目を見開いている宗次郎の後ろに人影が見えた。
そしてキラリと光る刀が見えた。
うそ・・・・・・!?