第3章 第三章
1分ほどで体中に塗り終わり私は着物を着た。
・・・・・・痛みが治まったみたいだ。
良かった・・・・・・。
「ありがとう、宗次郎」
宗次郎は寝息を立てていた。
よっぽど疲れてたんだね。
そっと寝かせておこう・・・・・・。
私は囲炉裏に手を翳して宗次郎との残り時間を憂いた。
宗次郎と過ごす時間が・・・・・・あと少しだけしかないなら・・・・・・。
宗次郎に告白しちゃおうか。
でも、そんな事したら未練が募って宗次郎から離れたくなくなっちゃう・・・・・・!!
想いを伝えないで去る方がいい。
その方がいい。
・・・・・・宗次郎から離れるには、今みたいに宗次郎が寝ている時しかないよね、チャンスは。
日を重ねるとどんどん離れたくなくなっちゃうから、もう今日明日頃に離れよう。
でも宗次郎、宗次郎が寝ていても私の姿が無くなった事に気付いたり勘が鋭いから宗次郎が寝ている間に去ってもすぐ見つかっちゃうだろうな・・・・・・どうしよう・・・・・・。
それに・・・・・・宗次郎から離れてもお金持ってないからどう生きていくべきか・・・・・・。泊まり込みで働ける場所探すしかないかなぁ・・・・・・。野宿なんて怖いし山菜とかきのことかの知識も無いから食事に困るだろうし。
宗次郎・・・・・・。
私は宗次郎の近くに座って宗次郎を見つめた。
もう離れちゃうからせめて・・・・・・せめて今は宗次郎の近くに居させて・・・・・・。
私は宗次郎の髪に手を伸ばした。
そして宗次郎の髪を撫でた。
・・・・・・明治時代にこんな美しい男の子が居るなんて思ってもみなかった・・・・・・。
昔の人って・・・・・・失礼だけど、平成の人々よりそんなに美しくないんじゃないかって・・・・・・。でもそんな事無かった。
宗次郎は平成の男の子達より美しい・・・・・・っていうか可愛いっていうか・・・・・・。
心がくすぐられる・・・・・・。
とても・・・・・・好みで。
とても大好きで・・・・・・。
愛しい・・・・・・人・・・・・・。
涙が滴り落ちた。
離れたくないよっ・・・・・・。