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天剣は春色を映して

第3章 第三章


「っ・・・・・・」


痛い・・・・・・っ!!
体中の傷が痛い!!


私は胸元を押さえて顔を歪めた。


温泉の湯が傷に沁みたんだ、やっぱり。


どうしよう・・・・・・。
薬・・・・・・。
宗次郎は一日様子を見てって言ったけど、一日も待ってられない!!


痛い・・・・・・!!


薬は宗次郎が所持している事を思い出し、宗次郎の荷物を勝手にいじるのはよくないから宗次郎を起こした。


「ん・・・・・・時音さん・・・・・・?」


「宗次郎、ごめんね起こしちゃって・・・・・・体中が痛むの・・・・・・薬をもらえないかな?」


「藤宮医師から処方された薬ですか・・・・・・?」


「うん」


宗次郎が起き上がって自分の首に手を当てた。


「そうですね・・・・・・僕の首も腫れ上がっていませんし、毒じゃないのかも・・・・・・。僕の勘違いだったみたいですね。時音さんの傷の痛みが引くのなら使っても構いませんよ」
宗次郎が私に薬を手渡してくれた。


「僕が塗ってさしあげましょうか?」


「えっ・・・・・・ううん!自分でできる!!」
宗次郎にまた私の裸を見られたりしたくない!!


「分かりました。僕は時音さんの体を見ないように布団に潜って背を向けてますね」
宗次郎が布団に潜って私に背を向けた。


「ありがとう宗次郎」
私は囲炉裏に近づいて着物を脱いだ。


そして塗り薬を手に取り体中の傷に塗っていく。


痛っ・・・・・・。


ちょっと沁みる。
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