第3章 第三章
私は布団を持ち上げて布団を敷いた。
「すみません」
宗次郎が申し訳なさそうに言う。
「いいよ、宗次郎、ゆっくり寝て」
「傍を・・・・・・離れないでください」
「えっ?」
「いつ敵が襲って来るか分かりませんので」
「あ・・・・・・うん、分かった」
宗次郎が刀を二本隣に置いて布団に潜り込んだ。
「寝かせていただきますね。時音さんも隣に布団敷いてどうぞお眠りください」
「あ、私はいいよ、眠くないよ」
「そうです・・・・・・か・・・・・・」
しばらくしてすぅすぅと寝息が聞こえ始めた。
私は囲炉裏に近づいて囲炉裏に手を翳す。
暖かい・・・・・・。
幸せだなぁ・・・・・・。
でも・・・・・・。
逆刃刀見つかったから宗次郎から離れなくちゃ・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・。
嫌だな・・・・・・宗次郎から離れたくないよ・・・・・・。
もう一日くらい一緒に居たいな・・・・・・。
私の最後のわがまま・・・・・・。
宗次郎のために働くとか言ってたけどこれじゃ・・・・・・。私は宗次郎に最後までおんぶに抱っこでいきなり逃げ出す事になるよね・・・・・・。
さっきまで・・・・・・さっきまで・・・・・・一緒に家で暮らそうって・・・・・・私もそうする気満々で・・・・・・。
離れなくちゃいけない事・・・・・・すっかり忘れてた・・・・・・。
楽しすぎて幸せすぎて・・・・・・忘れてた・・・・・・。
涙が滲んできた。
悲しい・・・・・・。
宗次郎と離れたくない・・・・・・。
離れたくないよ・・・・・・。
でも・・・・・・宗次郎が・・・・・・私を守るためにまた殺生なんかしたら・・・・・・絶対嫌だ!!
私は大丈夫。
一人で生きていけるもん!!大丈夫!!
私は涙を指で払ってキッと前を見据えた。
大丈夫!!
それに・・・・・・もしかしたら宗次郎、逆刃刀の方をこれから使ってくれるかもしれないし!!
でも私・・・・・・そうだとしても宗次郎と一緒に居ちゃいけない・・・・・・迷惑かけるから・・・・・・。
私は大丈夫!!
一人で頑張る!!