第3章 第三章
「張さん気が利いてるなぁ・・・・・・。僕は後で食べますので時音さん、お先にどうぞ、いただいてください」
「宗次郎・・・・・・まだ食欲無い?」
「はい。時音さんに出会ってから不思議とお腹が空かないんです。なんか・・・・・・こう・・・・・・胸がいっぱいになってしまって」
宗次郎が少し顔を赤らめる。
「――!!」
私はびっくりした。
「僕・・・・・・もしかしたら・・・・・・時音さんの事を・・・・・・」
宗次郎が俯いて一層顔を赤くして呟いた。
えっ・・・・・・。
えっ・・・・・・。
えっ!?
何!?時音さんの事を・・・・・・その続きは!?何!?
「どうぞ笹団子を」
宗次郎が私を見て笹団子を私に手渡してくれた。
「あ・・・・・・ありがとう」
・・・・・・なんか・・・・・・勝手に頭の中で今宗次郎に告白された!!って妄想が・・・・・・止まらないっ。
私は笹を剥いて笹団子を口に含んだ。
宗次郎は・・・・・・胸がいっぱいで・・・・・・本当に胸がいっぱいになってくれて食べれないの?
なんだか・・・・・・私・・・・・・幸せすぎるよ。
私まで胸がいっぱいになってくるよ・・・・・・!!
少しだけ食欲を無くして私は笹団子を残した。
「私も・・・・・・胸が・・・・・・いっぱ・・・・・・い・・・・・・」
ドキドキして胸が暖かくなって噛み締めるように呟いた。
「え・・・・・・」
宗次郎が驚いた顔で私を見る。
「うっううん!!」
何言ってるんだ私・・・・・・!!
私は両頬を両手で押さえた。
「とにかく良かったね!!逆刃刀を手に入れられて!!もう逆刃刀探さなくて済むし!!」
私は宗次郎に笑顔を向けた。
「はい」
宗次郎もにっこりと微笑んだ。
「安心したら・・・・・・少し・・・・・・眠気が・・・・・・」
宗次郎が目をうとうとさせて言った。
「布団敷いてもいいですか?」
「うん」
私は宗次郎が立つと同時に立ち上がった。
「時音さん?」
「私が布団敷くよ、手伝わせて」
「・・・・・・ありがとうございます」
宗次郎が微笑んだ。