第3章 第三章
〈張 目線〉
ほんじゃ宗次郎を探すか。
宗次郎は姉ちゃん抱えてたらまず宿へ向かうやろうな。
宿がなんだかんだいっちゃん安全やさかい。
宿屋を片っ端から当たってみるかい。
わいは宗次郎の向かった先へ歩いて、そこいら中に宿屋はどこか問うてみた。
「宿屋は一里先だぞ」
「おおきにー」
宗次郎に交渉や。
穏便に、穏便にな。
宗次郎を怒らせたら手ェつけられんくなるさかい。
宗次郎、なんて言うたらわいに従ってくれるやろか・・・・・・。
宗次郎に手土産の一つでも用意したろか。
ちょうど目の前に土産屋を見つけた。
土産屋やわ・・・・・・買ぉて行こ!!
ガラッ。
店の扉を開けた。
「笹団子あるぅ~?わいの分と姉ちゃんの分と宗次郎の分、六つ頼むで!!」