第3章 第三章
私と宗次郎は泊まる部屋に戻ってきた。
「時音さんは何を食べたいですか?これがお品書きです」
宗次郎が笑顔で私にメニュー表を渡してくれた。
「そうだなぁ・・・・・・うーん・・・・・・」
鍋料理もいいなぁ・・・・・・あ、でも麺類も食べたいかも・・・・・・あ、でもでも定食も・・・・・・。
決まらないや・・・・・・。
「宗次郎はどれがいい?」
「僕は・・・・・・少し・・・・・・食欲無くて・・・・・・」
「大丈夫?宗次郎・・・・・・。全然何も食べてないけど・・・・・・?」
心配だ・・・・・・。
「僕は大丈夫ですよ。明日になれば食欲も出ると思います。心配なさらないでください」
「・・・・・・うん・・・・・・でも・・・・・・食べないと体持たないよ?宗次郎、私よりいっぱい動いているんだから」
「大丈夫ですよ。ありがとうございます」
宗次郎が微笑んだ。
んん・・・・・・心配だなぁ・・・・・・。
「時音さん、決まりましたか?」
「あ、ううん、まだ」
うぅ・・・・・・宗次郎が食べないのに私だけ宗次郎の目の前で食べるなんておこがましいよっ・・・・・・。
どうしよう・・・・・・。
「本当に食べちゃっていいの・・・・・・?宗次郎は食べないのに私だけ食べるなんて・・・・・・」
「どうぞ、召し上がってください。僕は食べたくなったらその時注文しますので」
「本当に?・・・・・・本当に食べなきゃダメだよ?宗次郎・・・・・・」
「はい。食べたくなったらいただきますのでご心配無く」
宗次郎の笑顔が眩しい。
宗次郎・・・・・・食欲無いとはいえ、あまりにストイックすぎやしないか・・・・・・?大丈夫かな?倒れたりしないかな?
「宗次郎、倒れる前に食べてね」
「倒れませんよ。大丈夫です」
「そう?本当に?」
「僕は大丈夫ですから時音さん、お食事を摂られてください」
「うん・・・・・・」
私は物凄くお腹が空いてる・・・・・・。ごめん、宗次郎。私、食べさせていただくね。