第3章 第三章
そうだ、今のうちにお風呂入ろう!
宗次郎の前で綺麗な私で居なくちゃ!!
私はそっと部屋を出て、宿主さんに、
「お風呂入りたいんですけど・・・・・・」
と言った。
「湯浴みですか?分かりました。手ぬぐいをお持ちしますので少々お待ちくださいませ」
宿主さんが笑顔で答えて、手ぬぐいを取りに行った。
そっか・・・・・・タオルは無いのね・・・・・・。
なんか明治って感じがして全てが新鮮だ。
「お客様、手ぬぐいでございます。浴場はこちらです」
宿主さんが私に手ぬぐいを渡して浴場に案内してくれた。
「ありがとうございます」
私はお礼を言った。
「こちらです。どうぞごゆっくりおくつろぎください」
「ありがとうございます」
私は浴場の扉を開け、着物を脱いだ。
お風呂がある扉を開けると、こぢんまりとした温泉があった。
「わぁ・・・・・・」
あったかそう!!
「ええと・・・・・・」
シャワーは無いね・・・・・・。
温泉の湯をかければいいのかな?
私は桶に温泉の湯を汲んでお湯を浴びた。
ヒリッ・・・・・・。
「痛っ・・・・・・!!」
怪我の部分にお湯が沁みる。
これじゃ温泉入れないかなぁ・・・・・・。
でも!我慢できるくらいの痛みだし!!
私は痛みに耐えてお湯を浴びた。
頭を洗う時は痛くなかった。
そして温泉に浸かった。
くぅ~・・・・・・やっぱり痛い!!
私は1分で我慢の限界が来て温泉から出た。
脱衣場に行って手ぬぐいで体を拭き、着物を着た。
そう言えばドライヤーも無いんだっけ・・・・・・この時代。
私は手ぬぐいで髪の水分を取りながら思った。
少しひなたで髪を乾かそうかな。