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天剣は春色を映して

第3章 第三章


「時音さん・・・・・・」


宗次郎が体を起こす。


「あっ・・・・・・あの・・・・・・」
私は慌てておどおどした。


「僕をびっくりさせようとしているのですか?さっきからずっと時音さんの気配が強く伝わってきて・・・・・・。敵襲など殺気を感じたらすぐ目覚めるんです。さっきから殺気じゃないけど時音さんの気配が凄くして・・・・・・起きちゃいました」


「ううん、びっくりさせようとなんかしてな・・・・・・う、ううん!!そう!!そうなの!!びっくりさせようと思って!!あはは」
私は宗次郎に微笑んでみせた。


「もう・・・・・・本当に驚きますから・・・・・・。心臓に悪いなぁ・・・・・・。少し・・・・・・ほんとに・・・・・・休ませてください。1時間ほど眠れれば僕は大丈夫なので、1時間ほど静かにしていただけますか?」


「あ、うん」


宗次郎が手を私の腕に伸ばす。


「!!」


宗次郎が私の腕を握った。


「今度僕をおどかそうとしたら、僕があなたを驚かしますからね」
真顔で真剣に言ってから、ふっと微笑む宗次郎。


「あなたも安静になさってください時音さん」
宗次郎が布団に潜って私に背を向けて寝た。


宗次郎の寝息が聞こえる。


べ・・・・・・別に私に背を向けなくたっていいじゃん。


もう。


・・・・・・でも・・・・・・私・・・・・・。


宗次郎に・・・・・・キス・・・・・・しようとした・・・・・・んだよね・・・・・・?


なんて・・・・・・なんて大胆な事・・・・・・!!


うわぁ・・・・・・!!


私は両頬を両手で押さえた。


頬が熱い・・・・・・。


宗次郎・・・・・・ずるいよ。


私だけにこんなにときめかせておいて。


私だけにドキドキさせて。


ずるい。


自分はドキドキなんかしないくせに私だけにこんな――。


ああ!!!!!もう!!!!!!!
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