第3章 第三章
宗次郎が私に触れて、私を抱き上げた。
日に日に宗次郎のお姫様抱っこに心臓のバクバクが大きくなる。
宗次郎の艶やかな黒髪と白い頬のコントラストにみとれていると、
「行きますよ」
宗次郎が地面を蹴った。
「きゃあっ」
目を閉じたけど、おそるおそる目を開けると・・・・・・
「わ・・・・・・ぁ・・・・・・!!」
空が真っ青で美しい。
下を見ると木々の緑と雪の白。所々に家が点々とある。
「絶景でしょ?」
宗次郎が微笑む。
「うん・・・・・・!!」
地面が近くなっていく。
「きゃ・・・・・・!!」
落ちる錯覚に襲われて私は宗次郎の首をぎゅっと抱きしめた。
落ちる錯覚っていうか落ちてるんだけどね。
「大丈夫ですよ」
宗次郎が地面に着地してまた強く地面を蹴る。
また目を開ける。
真っ青な空に太陽が白く光り輝いている。
「美しい・・・・・・」
「はい・・・・・・本当に綺麗です」
「うん・・・・・・」
「時音さんも本当にお美しいです」
「なっ・・・・・・何言ってるの・・・・・・」
「本当ですよ」
宗次郎が微笑んだ。
宗次郎に・・・・・・美しいと思ってもらえてるなんて・・・・・・。
「宗次郎の方が・・・・・・綺麗・・・・・・」
「えっ?」
「宗次郎の方が綺麗だよ。私なんかより」
「そんな・・・・・・僕はそうは思わないですけどね」
「宗次郎・・・・・・カッコイイよ」
「ありがとうございます」
私は言った後にカァァッとなって宗次郎の首筋に顔をうずめた。