第3章 第三章
「念の為、一日様子を見ます。一日経って大丈夫だったら時音さん使用していただいて構わないです。医者が出す薬は売っている薬より格段に効きますからね。なんにもなければ早めに時音さんに使用していただいて早く回復していただけたらそれ以上の幸いはないですね」
「・・・・・・解った」
宗次郎に・・・・・・たくさん気を遣ってもらって・・・・・・なんだか・・・・・・想われてる感じがして・・・・・・誤解かもしれないけど・・・・・・。凄く嬉しい。
「逆刃刀探しに行こう?」
私は宗次郎に微笑んだ。
「えっ」
宗次郎が驚いた。
「刀鍛冶屋さんってこの辺にあるかな?」
「あの・・・・・・僕はそんなに急がないですよ?逆刃刀の入手」
「・・・・・・早い方がいいかなと思って」
「・・・・・・僕が狙われているからですか?」
「それもあるけど・・・・・・」
早く宗次郎から離れた方が宗次郎に迷惑がかからなくて済むから――。
「?」
「逆刃刀ってどんな特徴がある刀なの?普通の刀じゃないの?入手そんなに難しいものなのかな?」
「逆刃刀は・・・・・・刀の刃が逆さについています。本来峰のある部分に刃が、刃がある部分に峰があります。よって、斬る時に常時峰打ちとなります」
「・・・・・・という事は・・・・・・人を殺す目的の刀じゃないって事?」
何それ!めっちゃいい刀じゃん!!宗次郎が殺生しなくて済む刀――!!
絶対手に入れる!!
「そうですね。でも創っている所はほとんど無いですよ。緋村さんだって・・・・・・どうやって入手したんだろう・・・・・・。ほぼ入手不可能です」
「そうなんだ・・・・・・」
レア物なんだね・・・・・・。
「緋村さんって誰?」
「・・・・・・僕の・・・・・・恩人です・・・・・・」
宗次郎が空を見上げて言った。
「僕がこうして旅を始めたのも緋村さんが影響しています・・・・・・」
「緋村さんって・・・・・・女性?」
「えっ?違いますよ。男性です」
よかった。ちょっとホッとした。
「刀鍛冶屋・・・・・・聞き込みしてみます?」
宗次郎が私に訊いた。
「うん!」
「解りました。ではそこの家から聞き込んでみましょう」
宗次郎が歩き出した。
私も宗次郎の後をついて歩いた。