第3章 第三章
〈張 目線〉
そっ宗次郎・・・・・・!?
わいはあの姉ちゃんと宙を舞う宗次郎を見た。
「和泉守兼定を持っている青年には連れの女が居るのか・・・・・・。女の服は桃色・・・・・・」
・・・・・・宗次郎、やばいんちゃうん!?
これじゃすぐ足捕まるで!
「というわけで。張君。和泉守兼定を持っている青年を捕らえろ」
「な・・・・・・んや・・・・・・って・・・・・・!?」
「偵察ではなく捕獲だ。できるな?」
「そんなん言われても困ります!!わいは偵察する事にのみ同意したんやで!?捕獲とか、戦は・・・・・・もう嫌や」
「ほう、珍しい。刀狩りの異名を持ち志々雄が生きていた頃は刀を振り回し人殺しを平然とやっていた君が。戦はもう嫌だと?」
「・・・・・・緋村っちゅう剣客に出会ってから色々思うたんや・・・・・・。色々考えた。わいも緋村みたいに生きよう思うてな。血なまぐさい戦はもうごめんやわ」
「では、和泉守兼定を所持している青年に勝って青年を連れてくるだけでいい。できるな?」
「せやから・・・・・・」
それができへんのやって。
わいは宗次郎の味方やからな!
「臆病な君を雇い続けるか、一回考え直さねばならぬようだ・・・・・・」
「待ってください!!せやったらわいやります!!やらせていただきまっせ!!」
「君は金に目が眩むようだね。まぁいい。目的を果たしてきなさい」
「了解!!ほな行ってきますわ」
はぁ・・・・・・。なにさらしてけつかんねん、わい・・・・・・。
宗次郎を捕らえるつもりはあらへん。
せやかて宗次郎を警視庁に渡さんわけにもいかへん。
どないすればええんや・・・・・・。
しゃあない。宗次郎を説得や。
まだ警視庁は宗次郎の過去を知らへん。
これは堂々と接触して話ができるという、ある意味好機やで。
宗次郎も・・・・・・解ってくれるやろ。
一度牢屋に入っても裏取引で牢屋から出れるんやさかい。
せやかて裏取引に宗次郎が応じるか解らんから話はそれからや。
あああああ難易度高いで!!