• テキストサイズ

天剣は春色を映して

第3章 第三章


藤宮医師から塗り薬を受け取り、宗次郎がお金を払ってくれて、
「ありがとうございました」
とお辞儀して、歩きだそうとした。


そしたら藤宮医師が、
「ちょっと待って」
と私達を引き止めた。


「あなたの名前は?」


・・・・・・え?
「平成 時音ですけど・・・・・・」


「平成 時音・・・・・・珍しい名前だ。すまないね、いつもは名前をまず訊くのだが・・・・・・今日は・・・・・・あ、いやいや、今日はたまたまボーッとしてしまっただけだ。すまない。塗り薬が足りなかったらまた来なさい」


「ありがとうございます」


「・・・・・・・・・・・・」
宗次郎が黙って藤宮医師を見ている。


「宗次郎・・・・・・?」


「行きますか」
宗次郎がにっこり微笑んで私を抱え上げた。


「ありがとうございました、藤宮先生」


「またいつでも来なさい」


「はい。疑わしき事があったら、是非」


宗次郎・・・・・・?


「では」
宗次郎が地面を強く蹴って宙に飛び上がった。


「きゃああああああああああああああああああ」
私は急いで宗次郎の首に抱きついた。
/ 105ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp