• テキストサイズ

天剣は春色を映して

第3章 第三章


「こちらへ」
藤宮医師が私達を診察室?に来るようにと促す。


――?


藤宮医師が宗次郎の・・・・・・刀を見ている。


「廃刀令が下されてもまだ刀を持っている若者が居るとはな」


「すみません・・・・・・でも僕の大切な刀でして」
宗次郎が申し訳なさそうに笑う。


「まぁいい。そこの女性、どこを怪我しているんだい?」


「・・・・・・言いにくいんですけど・・・・・・橋から身投げしました。そして川に全身を酷く打ち付けて・・・・・・所々血が出てしまって・・・・・・」


「・・・・・・身投げ・・・・・・もうするんじゃないよ?」
藤宮医師が私を見て言った。


「念のために傷口を見せてもらおうか」


え・・・・・・。


「それはダメです!!」


えっ・・・・・・宗次郎・・・・・・?


「ダメです!時音さんの・・・・・・その・・・・・・」


「ああ、診察で裸を見られたくないと?」


「はい!!」
私は驚いて宗次郎を見つめていた。


宗次郎・・・・・・守ってくれたの・・・・・・?


「・・・・・・えっと・・・・・・腕なら見せられますが・・・・・・」
私は着物の袖を捲って藤宮医師に傷口を見せた。


「ふむ・・・・・・応急処置が的確だったみたいだな。この傷なら数日で治るだろう。今、傷口は痛むかい?」


「あ、はい、少し・・・・・・」
私はそう答えた。


「痛みも数日でひくだろう。塗り薬を処方しておこう」


「ありがとうございます」
藤宮医師にお辞儀した。


「ありがとうございます!」
宗次郎も笑顔で医師にお辞儀した。
/ 105ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp