第3章 第三章
「診察してもらって薬をいただいたら、宿屋を探しましょうか。それとも他に何かしたいことありますか?」
え・・・・・・?
「そ・・・・・・宗次郎と一緒に居られるなら何してもいいよ。――あ!!」
そう言えば、逆刃刀とかいう刀を探すんだったっけ。
「どうなさいました?」
「逆刃刀!!作っている職人さん探そうよ!!」
宗次郎が目を見開く。
「本当にいいのですか?何もそこまで僕の為にしてくださらなくていいのですよ?」
「ううん!今宗次郎が持っている刀、狙われているんでしょう?だったら本当に早いうちに逆刃刀持った方がいいよ!宗次郎も逆刃刀欲しいんだよね?」
「・・・・・・はい。欲しいです」
宗次郎に逆刃刀をプレゼントして・・・・・・プレゼントっていうか・・・・・・私はお金持ってないけど・・・・・・そしたら・・・・・・そしたら・・・・・・宗次郎から離れよう。
「あ」
宗次郎が前を見た。
いつの間にか赤茶色の屋根の一軒家にたどり着いていた。
「では・・・・・・中に入りましょう」
宗次郎がその家の玄関をノックして、
「すみません、診察していただきたいのですが・・・・・・」
と玄関の扉を開けながら言った。
数秒経ってから奥から50歳くらいの男性が顔を出した。
「おお、どうしたんだね?まぁ中に入りなさい」
かけている眼鏡を指で上げながらその男性が私達を中へと促した。
「藤宮医師ですか?」
「そうだ」
「この女性が怪我なさっているので、診ていただきたいのです」
「ああ。解った。どうぞ中へ」
私達は中に入った。
そして履いている靴を脱いで、家の中に上がった。