第2章 第二章
「では、人通りが多い、食事処のある場所まで一気に行きましょうか」
宗次郎が私をひょいっと持ち上げた。
「きゃっ・・・・・・」
ドキドキする・・・・・・昨日より確実に・・・・・・今日の方がドキドキしてる・・・・・・。
宗次郎をどんどん好きになってる・・・・・・。
「行きますよっ」
宗次郎が地面を蹴った。
私は宗次郎の首に抱きついた。
「きゃっ・・・・・・きゃあっあっあっあっ」
凄い小刻みに激しく揺れる・・・・・・!!
景色が・・・・・・目に止まらない程速い。
宗次郎・・・・・・走ってるんだ・・・・・・!!
こんなに・・・・・・速く・・・・・・!?
「すみません。跳ぶと目立ってしまうので、かなり揺れますが我慢していてくださいね」
宗次郎がそう言った。
「うっんっ・・・・・・」
1分くらい揺られて、
「あっ」
と宗次郎が言った。
そして宗次郎の足が止まる。
う・・・・・・わ・・・・・・激しい眩暈・・・・・・。
乗り物酔い・・・・・・みたいな・・・・・・。
「う・・・・・・う・・・・・・」
私は口を押さえた。
「大丈夫ですか?時音さん」
「らいろうふ(大丈夫)ほっほほりほろほいひはっはほひひはいは(ちょっと乗り物酔いになった時みたいな)」
「え、なんて?」
「ごめ・・・・・・大丈夫だから」
私は口元から手を離した。
「ここ、甘味処ですよ!!寄っていきましょう!!」
宗次郎が微笑んで私を降ろす。
・・・・・・なんとか・・・・・・立てる。
平衡感覚がちょっとおかしくなってるけど・・・・・・。
「宗次郎凄いね・・・・・・!!絶対世界一足速いよ!!未来にも宗次郎ほど足速い人いないよ!!」
「そうですか?ははっ・・・・・・照れますね」
甘味処・・・・・・か・・・・・・。
甘い物がある場所って事かな・・・・・・?
「行きましょう、時音さん」
宗次郎がにこにこしながら甘味処に歩き出した。