第2章 第二章
「いらっしゃい」
若い女性が奥から出てきた。
「時音さん、何が食べたいですか?」
宗次郎が私に微笑む。
「うーん・・・・・・」
宗次郎が私にメニューが書かれてある紙を渡してくれた。
なになに?
三色団子、みたらし団子、こし餡団子、粒餡団子、おしるこ、おはぎ、桜餅、大福・・・・・・。
「大福、1個食べてもいい?宗次郎?」
「いいですよ」
「ごめんね・・・・・・お金払ってもらうなんて本当にごめん!」
「遠慮なさらないでください。時音さんが喜んでくだされば僕もとても嬉しいのですから」
宗次郎が美しく微笑んだ。
私は赤くなってバッと顔をそらした。
「僕は・・・・・・そうですね、もう春だから桜餅を2つください」
「ありがとうございます」
店の女性が奥へ入っていった。
「そっか・・・・・・もう春なんだ」
「春ですよ」
宗次郎がにこやかに微笑んだ。
「桜ももうすぐ開花するでしょう」
宗次郎が微笑んだまま言った。
桜かぁ・・・・・・お花見宗次郎としたいなぁ・・・・・・。