第2章 第二章
「時音さん・・・・・・僕と旅して楽しいですか?」
「えっ?」
「本当は楽しくないのかな・・・・・・なんて思っちゃいます」
宗次郎が困ったように微笑んだ。
「そっ・・・・・・」
私は足を止めた。
「そんな事無い!!」
手を握りしめて宗次郎にそう言い放った。
宗次郎が驚いた表情を私に向ける。
「楽しいよっ!!本当はっ・・・・・・本当は離れたくないんだからっ・・・・・・!!」
離れたくない・・・・・・!!
「・・・・・・離れ・・・・・・?僕と離れるつもりなのですか?」
えっ?
しまっ――!!
しまった――!!
「ううん!!違う!!違うよ!!そうじゃなくて!!えーと・・・・・・」
「もし時音さんが僕と離れたいのでしたら・・・・・・正直におっしゃってくださいね。と言いますか、理由が知りたいです」
「だから違うって言ってるでしょ・・・・・・!宗次郎と離れないよ!!離れない!!宗次郎と一緒に居たい」
「・・・・・・ありがとうございます」
宗次郎が微笑んだ。
うまく・・・・・・誤魔化せたかな・・・・・・?
「じゃあ、まずはこの家から」
宗次郎が目の前にある家を指した。
「聞き込みしますね」
宗次郎がその家の玄関をノックした。
「たのもう!!」