第1章 第一章
「時音さんは・・・・・・たくさんの人に囲まれて生きてきました?」
「えっ・・・・・・?」
なんで・・・・・・そんな事・・・・・・訊くの・・・・・・?
「未来にもきっと人が溢れているんだろうなぁ・・・・・・」
宗次郎がニコニコしながら焚き火を見つめている。
「・・・・・・確かに・・・・・・たくさんの人に囲まれていたけど・・・・・・だからこそ抱える悩みもあった。人間関係が煩わしいなって感じる事も・・・・・・もちろん友達も居たけど・・・・・・友達にも本当の事とか話せなくて・・・・・・なんか・・・・・・追い詰められちゃって・・・・・・」
ポタッポタッ。
――なんで・・・・・・涙なんか・・・・・・出るの・・・・・・!!
「・・・・・・そうですか・・・・・・」
「・・・・・・うん・・・・・・それであんな事しちゃったんだ・・・・・・辛かった・・・・・・でも・・・・・・でも・・・・・・生きてて良かったよ・・・・・・!!宗次郎に会えたんだもん!!こんな・・・・・・その・・・・・・嬉し・・・・・・い事・・・・・・いっぱい・・・・・・あって・・・・・・」
あれ・・・・・・言葉が・・・・・・止まんない・・・・・・!!
何言ってんだ私・・・・・・!!
「・・・・・・僕に・・・・・・会えた事・・・・・・嬉しかったんですか・・・・・・?」
「えっ!?・・・・・・あっ・・・・・・」
カァァァっとなってしまった。
「う・・・・・・うん!!うん!!」
もう言っちゃえ!!
「宗次郎に出会えて良かったです!!」
宗次郎が驚いた顔して私を見た。
そして嬉しそうに微笑んだ。
「そう思ってもらえて嬉しいです。僕も時音さんと出会えて良かったですよ」
頬が熱い。
私はサッと宗次郎から顔をそらして俯いた。
「・・・・・・なんかね・・・・・・あっちでは本当の友達と呼べる人、少なかったんだ・・・・・・。だから今宗次郎とこうやって・・・・・・本当の友達みたいに色々話せて・・・・・・嬉しい」
ポタッポタッ・・・・・・。
また涙が・・・・・・。
それだけじゃない・・・・・・よ。
本当に・・・・・・本当に・・・・・・宗次郎が愛しい・・・・・・。