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天剣は春色を映して

第1章 第一章


「おおお、宗次郎やないかい。ごっつ久しぶりやなぁ」
いきなり玄関に人が現れた。


「・・・・・・張さん・・・・・・!!」
宗次郎は驚いて立ち上がった。


「なぜ・・・・・・ここに・・・・・・?」
宗次郎が張という人に近寄る。


「わいは今、密偵をやっとる。明治政府との裏取引でな」


「・・・・・・僕を・・・・・・追っているのですか?」


「ああ、ちゃうちゃう。正確に言うとやな、宗次郎、お前の持っとる刀を狙ってる連中を追いかけとるんや」


「・・・・・・僕の・・・・・・この刀が?」


「せや。狙われとるんやで。実を言うとわいも喉から手ェ出るくらい欲しいんやけどな。刀狩りの血が騒ぎよる程の名刀、和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)――。菊一文字(きくいちもんじ)といい和泉守兼定といい――宗次郎の手にする刀はどうしてそない高級な刀ばっかなんや?羨ましゅうてしゃあないわ」


「・・・・・・本当は・・・・・・緋村さんの持っている逆刃刀が欲しかったんですよ・・・・・・でも・・・・・・」


「気持ち解るで。敵は殺さな次々と湧いて出るからなぁ。逆刃刀やと心細いよなぁ」


「・・・・・・そんなんじゃ・・・・・・ないですよ・・・・・・」
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