第3章 第三章
そして玄関にやっと辿り着き、玄関の扉に這うようにして扉を開けた。
「警察の方々っ・・・・・・!!」
警察の方々が私を見る。
私は均衡を崩して倒れる。
「どうなさった?」
一人の警官が私に近寄る。
「宗次郎を・・・・・・宗次郎を早く!!」
「宗次郎?」
「藤宮医師に殺されてしまったかもしれません!!まだ生きているかもしれません・・・・・・早く・・・・・・助けて!!」
私は涙を流して精一杯声を振り絞った。
「どうしたんだね」
もう一人警官が傍に来る。
「宗次郎・・・・・・毒が・・・・・・きっとうまく戦えない・・・・・・早く宗次郎を・・・・・・助けて!!藤宮医師の所へ向かって!!警察の方々!!」
「宗次郎?藤宮?・・・・・・藤宮医師・・・・・・昨日火付けがあった所だな」
「えっ・・・・・・火付け?」
「藤宮医師は昨日逮捕されたよ。扱ってはいけない毒薬を所持していたらしい。火付け犯は未だ捕まっておらんが・・・・・・」
「そう・・・・・・なのですか?」
宗次郎・・・・・・助かったの?生きているの?
「宗次郎は・・・・・・っ」
「宗次郎・・・・・・どこかで聞いた・・・・・・よなぁ?宗次郎どこかで聞いた事あるよな?」
「そうですね」
警官二人が顎に手を当てる。
「どうした?」
もう一人警官が駆け寄ってきた。
「宗次郎・・・・・・って知ってます?」
警官が駆け寄ってきた警官に訊く。
「宗次郎?それだけじゃ分から・・・・・・あっ!!」
駆け寄ってきた警官は思い当たる節があるようだ。
「瀬田宗次郎の事じゃないか!?上層部が追跡中の!!」
「そうかもしれないな!!お嬢さん、宗次郎とは瀬田宗次郎の事か?」
追跡中・・・・・・?上層部が?
「はい・・・・・・確かに宗次郎はそんな苗字だったと思います」
私は答えた。
「やはりな!!お嬢さん、瀬田宗次郎の行方を知っているのか?」
警察・・・・・・なんで宗次郎を知ってるの?
「藤宮医師に毒を盛られて・・・・・・私と宗次郎・・・・・・毒で・・・・・・宗次郎は藤宮医師の元に向かって・・・・・・」
「藤宮医師の所へか!!もしや火付け犯は・・・・・・」
「瀬田かもしれないな!!」
警官達が話す。