第16章 リング争奪戦
マーモンを抱えて寝室を出る。
「ヴォオォオオオイ怪我人が起きてんじゃ・・・って、なんだお前か。」
マーモン「・・・隊長うるさいよ。ベルが起きる。」
スク「わ、わりぃ・・・。」
麗「・・・隊長?」
マーモン「隊長は作戦隊長なんだ。」
麗「ふぅん・・・。」
マーモン「ボスの部屋はこっち。多分お酒呑んでるんじゃないかな。」
麗「へぇ、お酒強いんだ?」
スク「ヴォォオオイマーモン・・・ボスに会わせるつもりかぁ?」
マーモン「そうだよ。学校に連絡入れたいらしいから。」
スク「今は上機嫌だから攻撃はしてこねぇと思うがなぁ・・・。気を付けろぉ。」
マーモン「勿論だよ。」
麗「攻撃されるの?」
マーモン「機嫌が悪いとね。」
麗「・・・そう。」
スクアーロと別れ、ある扉の前に立った麗。
マーモン「ここだよ。・・・ボス、僕だよ。入ってもいいかぃ?」
「・・・あぁ。」
麗はその声を聴き、静かに部屋の扉を開けた。
麗「・・・失礼します。」
パタンッと閉じて身体の方向を変えると、目の前にグラスが飛んできた。
麗は片手で受け止め、ジッとグラスを見た。
麗「・・・高そう。」
「おい女。」
声のする方へ顔を向けると、一人の男性がソファーにどかりと座っていた。
麗「・・・何でしょう。」
「俺はマーモンを部屋に引き入れたつもりだったが?」
麗「マーモンはここ。」
再び両腕でマーモンを抱え直し、男に近づく。
麗「グラス投げられたから思わず抱え方変えちゃったけど・・。」
マーモン「びっくりしたじゃないか。」
麗「ごめんね。」
「・・・何の用だ。」
麗「家に帰してもらえないみたいだから・・学校に連絡入れたくて。」
「・・・勝手にしろ。」
麗「・・・ありがとうございます。」
マーモン「・・・ボス、ありがと。」
麗「・・・私、鷹宮麗です。」
「・・・XANXUS。」
麗「かっこいい名前。」
じろりと麗を見るザンザス。