第16章 リング争奪戦
何だか背中がフワフワしている感覚がして、目を開けた。
見慣れぬ豪華な天井が見えて、麗はボーッと考え始める。
麗「・・・学校帰りにチェルベッロに会って、それから・・。」
「何だ、話を聞いてないのかぃ?」
耳元で声がしてそちらに顔だけ向ける。
麗「・・・誰?」
マーモン「僕はマーモン。君に抱き付いているのはベルさ。会った事はあるんだろう?イタリアで。」
麗「・・・あぁ。また怪我してるんだね。」
マーモン「君、よくそんな冷静にいれるね。流石、女王に選ばれただけある。」
麗「・・・女王って何?」
そっとベルの腕を解いて起き上がる麗。
麗「・・・この服・・。」
マーモン「ベルが君に見立てた服だよ。日本に来るんだし会えるかもって用意してたみたい。」
麗「・・・そう。」
マーモン「で、君・・・守護者戦の事は知ってるの?」
麗「あぁ、夜学校でやってるやつ。」
マーモン「ボンゴレについては?」
麗「イタリアのマフィア。沢田君達が十代目候補・・・くらいな物かな。」
マーモン「じゃあ、君がそのボンゴレファミリーの十代目、女王になるっていうのは?」
麗「・・・私がマフィア?」
マーモン「まぁ、そういう事になるね。十代目を補佐する仕事が多くなるとは思うから、戦いには出ないだろうけど。」
麗「そう。」
マーモン「・・・動揺したりしないわけ?君。」
麗「断ろうとしても、断れない事くらい何となく分かるよ。目が覚めたらこんなホテルだし。」
マーモン「そ。暴れたら隊長来るだろうしいいけど。」
麗「・・・敢えて聞くけど、帰してもらっても?」
マーモン「ダメ。僕が怒られる。」
麗「そうだよねー・・・。」
ベッドから降り、カーテンをそっと開けて外を見る。
麗「学校に休み入れる。電話貸して。」
マーモン「・・・それくらいなら、ボスも許してくれるんじゃないかな。」