第14章 襲撃
夢を見た。
ボロボロの恭弥が、骸と闘ってる夢。
手を伸ばして間に入っても、二人は私に気付かずに攻撃しあってる。
あぁ、きっとこれは現実なのだろう。
恭弥が骸にボロボロになりながらだけど、勝った。
これは私の願望なのか。それとも現実なのか分からないけれど・・・。
「見なくていいの?」
不意に聞こえた声にくるりと振り返る。
「いいの?」
自分が、そこにはいた。
麗「・・・夢よ?」
「気付いてるよね。これは夢じゃない。現実で起こってる事。」
麗「・・・。」
「現に私達の身体はここにある。」
私の座っているソファーには、私本体が眠っている。
麗「・・・夢じゃ、ないんだね。」
「夢であってほしかった?骸に勝ってほしかった??」
麗「さぁ・・・。それは貴女がよく知ってる事だと思うよ。」
クスクスと笑う麗。
「私は私で、貴女も私。じゃあ、私の言いたい事だって分かるよね?」
麗「その眼で“これから起こる事を見ろ”、でしょ。」
「大正解♪」
ピョンッと立ち上がり、私は近くに寄って来る。
「なら、起きなきゃだね。」
麗「えぇ。起きるわよ。」
「骸は見られたくないから意識飛ばしたのにね。」
麗「・・・。」
「私はそろそろ、現実を現実だと受け止めなきゃいけないんだよね。」
麗「・・・分かってる。」
「それじゃ、生き残ってね。私。」