第13章 夏
麗「・・・夏祭り?」
恭弥「そう。ショバ代回収に回るんだけど。」
麗「へぇ・・・。もしかして、花火とかする?」
恭弥「するけど?」
麗「花火、見たいなぁ・・・。」
恭弥「・・・早めに回り終わったら見れるけど。」
麗「行きたい!」
恭弥「じゃあ一緒に行こうか。」
麗「うん!花火楽しみ!」
ウキウキ気分な麗。
恭弥「・・・ねぇ、浴衣持ってる?」
麗「浴衣?持ってない。」
恭弥「じゃあ、あげるからそれ着て来てよ。」
麗「・・・え、くれるの?」
恭弥「いいよ。何色がいい?」
麗「んー・・・藍色とか、紫とかかなぁ・・・。」
恭弥「分かった。適当に見繕ってあげる。」
麗「恭弥に任せるよ。」
恭弥「任せなよ。」
麗「ふんふふん♪」
数時間前に届いた紫色の浴衣を着てくるりと回る。
麗「恭弥ってやっぱりセンスいいよねぇ・・。」
洗面台の前に立ち、髪を纏めあげる。
ピンポーンと来訪者を知らせる音が鳴り、麗はパタパタと浴衣と共に入っていた巾着に財布と携帯を入れ、玄関へ駆ける。
ガチャッと開けた先には予想通り恭弥。
恭弥「・・・似合ってるよ。」
麗「そう?ありがと。」
恭弥「じゃ、行こうか。」
麗「うん!」
カランコロンと足元を鳴らしながら屋台を回る。
恭弥「ショバ代、5万。」
麗「りんごアメ・・・。」
店員「嬢ちゃん、雲雀さんの知り合いか何か・・・?」
麗「・・・?恭弥は、友達、というか・・恭弥、私達って何?」
恭弥「さぁ?」
麗「・・・草壁さん、私達って何?」
草壁「・・・友達以上、恋人未満という所じゃないですか?」
麗「らしい、です?」
店員「・・・嬢ちゃん可愛いし、あげるよ。りんごアメ。」
麗「本当!?やったぁ!!」
この子が笑ってると、雲雀さんも笑うだなんて、この子は気付いてないんだろうな。