第13章 夏
恭弥「ちょっと草壁と待ってて。」
そう言われて二人で恭弥を待っているなう、です。
麗「・・・草壁さん、何か食べました?」
草壁「いや、自分は・・・。」
麗「私、お祭りって来た事なくって。屋台って見てて楽しいですね!」
ニコニコと笑っている麗。
草壁「・・・。(これだけの容姿だ。大勢の集まる場所に易々と連れて来て攫われでもしたら・・・と考えたら、出すに出せないハズだ。)」
何故か親のような感覚に陥る草壁。
草壁「委員長と一緒に回れたら良かったんですが・・・。」
麗「?さっき回ったよ??」
草壁「いや、あれはショバ代を・・・。」
麗「途中でいっぱい貰った。」
そう言われて麗の手元を見ると、ぬいぐるみやら何やらを多く持っている事に初めて気づいた。
よく見れば食べ物も多く持っているではないか。
草壁「あの、おもちしますよ?」
麗「え、いいの?・・・じゃあ、食べ物食べてくれると嬉しい、かな。」
草壁「?会長はよろしいので?」
麗「私、回ってる時にいろいろ食べたんだ。」
エヘヘと笑う麗。草壁も笑って食べ物を受け取る。
草壁「委員長と会長が合流出来ましたら、頂きますね。」
麗「ありがとう。草壁さん。」
ヒュー・・・ドドォンッと音がして、上を見る。
花火が上がっていた。
麗「・・・綺麗・・。」
草壁「・・・。(委員長、まだですかね・・・。)」
「麗。」
麗「・・・あ、恭弥。お疲れ様。」
息を切らせた雲雀がこちらへやって来る。
恭弥「おいで。花火見に行こう。」
麗「!うん。草壁さん、また今度!」
草壁「はい。楽しんできてくださいね。」
麗「恭弥。」
恭弥「なんだぃ?」
麗「誘ってくれて、ありがと。」