第13章 夏
麗「えーと・・・ビーチボール・・・。」
キョロキョロと見回してビーチボールを探している様子の麗。
麗「・・浮き輪もあったら便利かしら。」
「ありがとうございましたー!」
頼まれた物と浮き輪、目的の物を持ってパラソル目指して歩き出す。
麗「浮き輪でプカプカ浮いてるのもありだよなぁ・・・。」
パラソルへ戻ると、誰もいなかったので海に繰り出したのだろうか、何て思ってお店の人が親切にも貸してくれたクーラーボックス(実際は下心しかなかった)にかき氷と飲み物を入れ、ボールと荷物をその場に置き、浮き輪を持って海に入った。
麗「やっぱ、海は浮いてるに限るよね。」
プカプカと浮いていると、スイーッと何かが麗の側に来た。
「随分沖の近くまで出てるぞ麗。」
麗「リボーン君。」
リボーン「そろそろ戻らねぇとヤベェんじゃねぇのか?」
麗「沖まで出ちゃうのが浮いてる醍醐味でしょう?」
リボーン「初めて聞いたぞそんな醍醐味。」
麗「私の醍醐味なの。」
リボーン「・・・そうか。気を付けろよ。」
麗「ありがと。」
リボーン「そうだ。ツナ達がライフセイバーと水泳大会してんだ。巻き込まれんなよ?」
麗「どこまで行くのー?」
リボーン「あそこの岩まで行って帰るんだぞ。」
麗「離れて見てるねー。」
リボーン「あぁ。」
プカプカと浮いていると、キャーッという悲鳴が聞こえた。
見ると、小さな女の子が沖まで流されていた。
麗「・・・あらまぁ。」
バシャバシャと泳いでいく音がして、見るとツナが女の子の方へと泳いでいく。
麗「仕方ないなぁ。」
ツナは女の子に辿り着いた途端力尽きて沈んで行った。
ガシッと腕を掴み、女の子の浮き輪も掴む。
女の子「お兄ちゃん大丈夫?」
麗「大丈夫。捕まっててね。」