第10章 イタリア
ディーノ「本当に送って行かなくて平気か・・・?」
麗「平気平気。」
麗は自身のスーツケースを持って立っている。
麗「日本に着くまでお願いしてるワケだし・・・。それに、ディーノだって仕事残ってるんでしょ?」
ディーノ「そりゃあ・・・そうだが・・。」
麗「日本に帰る飛行機出してくれるんだし、大丈夫!何とかなるよ!」
ディーノ「・・・なら、いいけど・・。気を付けて帰れよ?」
麗「私、子供じゃないんだけど・・・。」
ディーノ「13歳はまだまだ子供だ。」
ニヤニヤと笑うディーノ。
麗「じゃ、また今度ね。イタリア旅行楽しかったよ!」
自家用ジェットに乗って日本まで戻って来た麗。
麗「・・・もしもし?」
『やっと帰って来たんだね。どこに行ってたんだぃ?』
麗「イタリア。お土産買ってきたよ。恭弥。」
恭弥『そう。お帰り。』
麗「ただいま。今空港だから・・・1時間あれば帰れるかな。」
恭弥『ワォ。学校ギリギリだね?』
麗『うん。着替えてすぐ出るから。門閉めないでね?』
恭弥『分かった。言っておくよ。』
ピッと切られた電話。麗は鞄に仕舞うとタクシーに乗り込んだ。
麗「学校間に合って良かった・・・。」