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ラベンダーに誘われて

第10章 イタリア








ディーノ「麗ー?」




部屋を覗くとそこはもぬけの殻で、麗が屋敷探検をすると言っていたのを思い出す。




ディーノ「ロマーリオ、麗知らねぇか?」
ロマーリオ「いんや?嬢ちゃんこっちには来てないぜ?」
ディーノ「・・・1階か?」







部下1「いえ・・・麗様はお見えになってませんが・・。」
ディーノ「・・・麗どこに行った・・!?」




















一方その頃麗。






麗「・・・ここ、町よね・・?」


面白そうな隠し通路をうっかり見つけてそれを通ってきたら町のはずれに着いてしまった。



麗「・・・帰らなきゃ、だよねぇ。」







しかし、好奇心に勝るものはなく、麗は街の探索を始めた。




麗「こんなところにコーヒー店・・・。美味しそうだなぁ。」



麗は入り組んだ道に入り込んだ。








麗「・・・。」



先ほどまでとは違う、刺々しい雰囲気。



進むたびに人が倒れている人数が増える。が、それでも麗は進む。


チラリ、と足元で倒れている人間を見やると、どの人間の下も血が流れていた。進むたびに更に血の匂いが強くなる。





麗「・・・誰かいる?」



路地は行き止まり。壁に背を預けて座り込んでいる金髪の男の人がいた。頭にティアラを乗せている。


肩やお腹から出血しているのが分かる。






麗「・・・。」



麗は何も言う事なく近づき、持っていたハンカチで傷口を抑える。
すると、その男の人はようやく麗の存在に気付いたようで麗の腕を振り払った。



「<誰だ!?>」
麗「<日本人。>」
「そんな事聞いてるんじゃねぇし・・・!」

麗「・・・日本語、話せるんだ。」


「王子を誰だと思ってるわけ?」




麗「・・・傷、抑えなきゃ出血多量で倒れるよ。」




振り払われた腕を再び傷口に当て、圧迫する麗。



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