第1章 転校
「遅い。」
入ってそうそう言われた一言がそれだった。
麗「・・・場所が分からなかったもので。」
「・・・あぁ、そうだったね。僕が呼びに行った方が早かった。」
麗「何の用でしょうか?えーと・・・雲雀さん。」
恭弥「・・・僕の名前は憶えて来たんだ?」
麗「クラスの子が教えてくれました。」
恭弥「ふぅん。・・・で、呼ばれた理由は分かってるよね?」
麗「分かりません。」
そう答えたら、雲雀さんはスクッと立ち上がった。
恭弥「その恰好でよく言えるね。」
麗「・・・あぁ、制服の事ですか。」
なるほど。ここの制服じゃなかったから呼ばれたのか。
麗「新入生の制服やら新しく買い替える生徒が多かったから、今は在庫がないので少し待ってほしいと連絡が来ました。3日ほどかかるそうです。」
恭弥「・・・ふぅん。ならいいけど。それ以降にその制服で来たら咬み殺すから。」
麗「分かってますよ。」
恭弥「それと。」
まだあるのか。
恭弥「君、編入試験全部満点だったらしいね。」
麗「・・・そうだったんですか?」
恭弥「生徒会長やってみない?」
麗「・・・は?」
編入試験とは口先だけで、点数が悪くても入れる。だって中学校だからね。受け入れる生徒の偏差値を学校が知るためのテストだ。と校長に説明を受けていたけれど・・・何故この人が結果を知っているのだろうか。並盛を支配しているという噂は本当で、権力振りかざしたのかな?
・・それよりも、どうして急に生徒会長の話が出たのか聞いておかないといけないか・・。
恭弥「前の生徒会長は役立たずだったから辞めさせた。君ならパソコンも使えそうだし。」
以前の生徒会長、哀れ。
恭弥「決まり。教師には僕から伝えておくから。放課後にもう一度ここに来なよ。生徒会室への案内してあげる。」
勝手に決まった!?まぁいいか。
麗「・・・はぁ。」
転校初日、生徒会長になった。