第18章 未来
女王「14歳の貴女は、誰かに自分から触れるとその記憶が見える。・・・訂正があるかしら?」
麗「・・・いいえ。ないわ。」
女王「19歳の貴女は、未来が見えたのよ。」
麗「・・・は・・?」
女王「皮肉なものね。・・・そして、知ったのよ。自分の寿命も、その後の事も。だから19歳の貴女は、抗う事にしたの。」
麗「・・・それで?女王を見つけたですって?」
女王「貴女に話しかけたのは私。女王として貴女を女王に認めたの。貴女の意志の強さで。」
麗「そう。それは14歳の私には当てはまらないようね?私の時代の貴女は話しかけてこないもの。」
女王「だって私は日本にいないもの。」
麗「・・・そう。それで?」
女王「私を加工出来る人間はね、石を愛した人間じゃないと出来ないの。天然石でも何でもいいわ。石を愛して、石と共に過ごしてきた人間じゃないと扱えない代物でね。・・・貴女が選んだのはあの老人だったわ。」
麗「・・・じゃあどうして、私は取りに行かなかったのよ?」
女王「取りに行けなくなってしまったのよ。ミルフィオーレとの抗争で。貴女は並盛を離れざるを得なくなってしまったから。」
麗「・・・それで?貴女は私に何をしてほしいの?」
女王「生きなさい。」
麗「・・・!」
女王「生きる事を諦めないで。手を伸ばしなさい。ワガママを言いなさい。・・・私が認めた貴女を、そう簡単に失うわけにはいかないのよ。」
麗「・・・やっぱり、そうなのね。」
女王「・・・えぇ。」
麗「十分よ。・・・それで、女王のリングは何色を灯すの?やっぱり黒かしら?」
女王「全色灯せるわよ。7色。黒も灯せるけれど。」
麗「・・・女王は存外キチガイなのね。」
女王「初代にも言われたわ、それ。でもそんなとこが好き!」
麗「あぁそう。・・・そろそろ戻してくれるかしら。匣も使ってみたいわ。」
女王「・・・分かったわ。気をつけなさい。」