第18章 未来
麗「・・・。」
雲雀に用意してもらった服は、白いワンピース一枚よりもはるかに布面積が多かった。
胸元にレースをあしらった白い長袖のブラウスに、膝辺りまである黒いハイウエストのスカート。黒のニーハイに踵が高めの白いロリータ靴。
麗「・・・この私、24歳なわけだけど・・痛くない?」
恭弥「別に?似合ってると思うけど。」
麗「・・・なら、いいん・・だけど・・・。」
麗「・・・。」
ジッと指輪を見つめる麗。
麗「・・・女王の、指輪・・。」
・・・麗・・。
麗「・・・え・・?」
ブワリと指輪から広がる黒い炎。
その炎は麗のいる生徒会室を覆うほどになり、開けていた窓の外にも飛び出す。
麗「な、にこれ・・・!?」
「麗さん失礼します。紅茶を・・・!?麗さん!!」
麗「草壁さん!これ、なに・・・!?」
草壁「黒い炎・・・!?麗さんすぐにこの炎を閉まって下さい!!」
麗「無理よ!!急にリングからあふれ出して・・・!!」
麗。
また聞こえる声。
麗「誰・・・!?」
草壁「麗さんっ!!」
「あぁ、やっとまた会えた。麗。」
麗「・・・貴女は、誰?」
「私は女王。名はなくしてしまったわ。」
麗「・・・あの石に、宿っていたというの?」
女王「えぇそうよ。貴女にしか見つけられない石。女王の為に存在する石。」
麗「・・・女王、私を元居た場所に戻して下さい。」
女王「私は貴女に話をしたかったの。女王として。」
麗「・・・この時代の私の事なら一切聞く気はないわよ。」
女王「貴女から見て五年後の貴女の事なら聞くかしら?」
麗「!」
ニッコリとほほ笑む女王。
女王「私は女王。如何なる事でも全てを知っているわ。話しましょう。どうして私をあのおじいさんに預けたのか。」