第18章 未来
入江「・・・僕も詳しい事は知らない。」
ある日、フラリと白蘭さんがいなくなった時があった。
捜索隊は必要ないよ。と一筆残した手紙だけが白蘭さんの部屋にあったんだ。
しばらくして帰って来たんだけど、白蘭さんはびしょ濡れだった。
慌てて駆け寄ってみたら、意識を飛ばしている鷹宮さん・・・この時代の鷹宮麗を抱えていたんだ。ボロボロで、白蘭さんの服をかぶせられていたよ。
ツナ「・・・!」
リボーン「・・・連れ去られた、って事か?」
入江「・・・分からない。けど、白蘭さんは一度もにこりと笑わなかったんだ。あの白蘭さんが。」
正チャン。後でお説教なら聞くから今はやめてもらっていいかな?
そう言って白蘭さんは本部へ入って行った。
しばらくして、麗さんが目覚めて白蘭さんは麗さんの部屋にいる事が多くなった。
リボーン「その麗には会ったのか?」
入江「・・・3回。会ったよ。」
ツナ「さ、3回だけ・・・?」
入江「あぁそうさ。目覚めて間もない頃に1度。その1か月後に1度。・・・作戦の前に一度。」
リボーン「・・・!」
入江「けれど、3回とも・・・麗さんからはこちらを見なかった。」
クローム「・・・?」
入江「ずっと、窓の外を眺めてたよ。」
白蘭「麗チャン。この人が入江正一。僕の大切な部下なんだよ♪」
麗「・・・。」
どんなに白蘭さんが話しかけても麗さんが話す事は一度だってなかった。
白蘭さんが麗さんに視線を合わせても、視線がかみ合う事は一度だってなかった。
3回とも、麗さんはベッドから降りる事はなかった。
ツナ「・・・それ、病気の・・。」
クローム「・・・!」
入江「身体が徐々に動かなくなっていく難病の事だよね。・・・けれど、話す事も視線を合わせる事も出来たはずなんだ。」
リボーン「心はそこにない感じだな。聞いてる限り。」
入江「・・・最後に会ったあの時だけは、違った。」