第18章 未来
麗「・・・はぁ・・。」
学校までの道のりの途中で麗は壁にもたれかかって座り込んでしまった。
麗「一体・・何年出歩かなかったらこんなに、体力も筋力も衰えるっていうの・・・。」
ゆっくりと立ち上がり、壁伝いに中学校へ向かう麗。
麗「・・・いや、違う・・か。10年で、ここまでしか進んでいない事に驚くべきなのか、それとも・・・。」
中学校に辿り着き、運動場を歩いてくると正面から慌ててこちらへ駆けて来る人物がいた。
「麗さんっ!!!!」
麗「・・・?草壁、さん?」
草壁「無茶しないで下さい・・・!アジトからここまでお一人で!?」
麗「そう、だけど。・・・あぁ、ごめんなさい。身体はこの時代の麗だけど、中身は10年前の麗なの。」
草壁「・・・あぁ、そうだったんですね。すみません。突然怒鳴ったりしてしまって。」
麗「・・・知ってる、んですね?私の状態。」
草壁「・・・この時代の雲雀が、貴女がミルフィオーレに行ってしまうまで共にいたものですから。」
麗「・・・恭弥は?」
「ここにいるけど。」
中学生の雲雀恭弥。自分の見慣れた恭弥がそこで学ランを靡かせていた。
麗「・・・恭弥。」
恭弥「・・・中身は僕の知ってる麗みたいだね。」
麗「?どうして??」
恭弥「そこの草壁がこの時代の君は僕の事を恭と呼んだって言ってたから。」
麗「・・・きょう?」
恭弥「どっちでも構わないよ。」
麗「・・・恭!」
恭弥「何だい?麗。」
麗「無事でよかった。」
にっこりとほほ笑む麗。
恭弥「・・・僕もこの時代の君に会えてよかった。」
麗「一緒にいてもいい?」
恭弥「構わないよ。」