第18章 未来
スクアーロの身体に触れると、記憶がどんどん入り込んでくる。
慌てて麗は手を離す。
スク「なんだぁ?・・・あぁ、記憶が流れ込んだか。」
麗「・・・ごめん。」
スク「前にも言ったが別に気にしねぇぞぉ!」
麗「・・・そ、う。」
グイッと麗の腕を引っ張って自身の匣であるアーロに乗せるスクアーロ。
麗「・・・ね、ねぇスクアーロ?まさか、これで日本まで行くとか、言わないよね?」
スク「そのまさかだが?飛行機や船じゃあ足が着くだろうが!」
麗「そうだけど・・・!!というか、匣開いた時点でリングの反応もあると思うんだけど・・。」
スク「精度は低いから安心しろぉ。」
麗「どこに安心する要素がある、きゃあっ!?」
勢いよく泳ぎ出したアーロに驚いて、麗はスクアーロにしがみつく。
スク「2日もあれば日本くらい着くぜぇ。」
麗「2日もずっと海の上!?ウソよね!?」
スク「ウソじゃねぇぞ!!」
麗「イタリアで大人しくフラン達と遊べばよかった・・・!!」
スク「日本に行きたいんじゃなかったのかぁ?女王様よぉ。」
麗「そ、りゃそうだけど・・・!」
グッと腰を抱えられ、きょとんとスクアーロを見る麗。
スク「絶対落とさないから寝ろ。日本に着いたら起こしてやる。」
麗「・・・まだいい。眠くない。」
スク「そうかぁ。」
麗「・・・ねぇスクアーロ。どうして白蘭は私を捕まえたがるのかしら。」
スク「・・・さぁなぁ・・。」
麗「・・・ウソつき。」
スク「・・・お前が一番感じてる事じゃねぇのかぁ。そんな質問の答え。」
麗「・・・えぇ。だからこそ、疑問に思ってる。この私には、きっと出来ない事だから。」
スク「・・・どういう事だぁ?」
麗「そのままの意味、よ。」
ジッ・・・と海の彼方を寂しそうに見つめる麗に、スクアーロはそれ以上問う事はなかった。