第18章 未来
麗は呆然としていた。
地面は遥か下にあったのだ。重力に逆らえずに麗は落ちていく。
骸と目が合って、骸は微笑んで呟く。
「貴女は、生きて下さい。」
あぁ、やはりそうなのか。
麗「骸・・・!!」
麗の声は、空気に溶けて消えた。
トサッ・・・と、地面に直撃するワケでもなく、誰かに抱き止められた。恐る恐る麗は目を開ける。
「麗さんですねー?さっさとここから離れましょー。」
カエルの大きな帽子をかぶっている青年がそこにはいた。
麗「・・・あな、たは・・?」
フラン「ミーはフランですー。師匠に言われて貴女の身柄を引き取りに来ましたー。」
そこでふと気づいた。フランと名乗ったこの人間の着ている服に、見慣れた紋章が付いている。
麗「・・・ヴァリアー・・?」
フラン「そうですよー。いろいろあってヴァリアーに所属する事になっちゃいましてねー。それよりも麗さーん。軽すぎですよー?ちゃんと食べてますー?」
麗「・・・さ、ぁ・・?それより、骸・・・!」
フラン「大丈夫ですよー。師匠ならもう幽体離脱済ですよー。」
麗「・・・それなら、いいんだけど・・。」
どんどん遠ざかっていくミルフィオーレ本部。自分は何もしていないのにすごく身体が重い。
麗「・・・。(この身体、全く無理が出来ないわね。)」
フラン「とりあえずーヴァリアーの本拠地に行きますけどいいですかー?」
麗「うん。平気。」
フラン「・・・寝ちゃってるじゃないですかー麗さんー。」
スタンッとヴァリアーの拠点に辿り着いたはいいものの、麗は眠ってしまっていた。
フラン「・・・あー・・ボスー。諸事情で麗さん連れてきちゃいましたー。匿って下さいー。」
ザンザス「・・・麗だと?」
フラン「はいー。ミルフィオーレから盗ってきちゃいましたー。」
ザンザス「・・・ベッドで寝かせとけ。」
フラン「りょーかいですー。」