第18章 未来
「ねぇ、レオ君。麗ちゃんにお茶を淹れるだけなのに随分と長く滞在してるね?」
ニッコリと笑って部屋に入って来る真っ白な男。白蘭である。
レオ「す、すみません。麗様が起きていらっしゃったので、お話しでもと・・・。」
白蘭「もういいよ。そろそろ飽きてきちゃったし。ねぇ?骸君。」
レオ「・・・クフフ・・いつから?」
白蘭「んー・・・いつからでしょう?」
双方ニコニコと笑っているのに殺気が溢れ返っている。
麗は骸の後ろにいるため、白蘭からは顔が見えない。
白蘭「ねぇ。僕の麗チャンに何してるの?」
骸「麗は貴方の物ではありませんよ、白蘭。」
白蘭「やっと手に入れたんだよ?麗チャンは、僕がいないと生きていけないんだから。」
麗「・・・。(白蘭がいないと、生きていけない?)」
骸「いいえ。麗は生きていけます。我々と共に。」
麗を抱き抱える骸。
白蘭「ここから逃げ出すつもり?無理だよ?ここの窓は絶対に割れない仕組みになってるんだ。入口は僕の後ろ。・・・さぁ、どうするの?」
骸「クッフフ・・・あまり僕を舐めない方がいいですよ。」
スッと指輪をして死ぬ気の炎を灯す骸。
骸「アレと一緒の発想なのが少々癪に障りますが・・・ないなら作ればいいんです。」
三叉槍を何処からともなく取り出すと壁に向かって勢いよく振り下ろした。ドォンッ!!と爆発音がして、辺りには煙が立ち込める。
白蘭「!」
煙が消えると、すでにそこには骸たちの姿はなく、壁にポッカリと穴が開いていた。
白蘭「・・・逃がすわけないでしょ・・?麗チャンを。」
基地内にサイレンが鳴り響く。そんな中、骸は廊下を全力で駆けて行く。
麗「む、くろ・・・!」
骸「静かに。貴女の意識がある事を悟られては困るのです。」
ピタッと立ち止まった骸。その先には先ほど部屋に置いてきたはずの白蘭がいた。
白蘭「逃がさないって、言ってるじゃん?」
骸「さて、それはどうでしょうか?」
匣の中身をすぐそばの壁にぶつけ、穴を開けた骸。
そして、
麗を外へ放り投げた。