第4章 野球
ピーーーーッと笛の音が鳴り、麗は音の方に向く。
今は体育の最中で、男子は野球、女子はバスケをやっている。
京子「麗ちゃんは運動得意?」
麗「んー・・・バスケは何とか。」
花「へぇ~。じゃ、全部ボール回すわ。」
京子、麗、花とその他の女子2名でチームになったのだが、女子二人は山本武の声援に行ってしまったため、戻ってきていないのだ。
女子1「そっち三人だけど、平気?こっちから一人出そうか??」
と、声を掛けて来る相手チームの女子。
相手チームは女子3人がバスケ部だ。ちなみに並盛中学校の女子バスケットボール部は全国に出るほど強いらしい。
麗「平気。全力で大丈夫。」
女子2「・・・文句は聞かないからね。」
京子「だ、大丈夫・・・?」
麗「うん。京子ちゃん、ボール持ったらここ目がけて投げてくれる?」
京子「・・・?いいけど、誰もいなくても?」
麗「そう。誰もいなくても。敵だけがいても。」
麗の指差した場所は、コートのど真ん中。
京子「分かった!!」
麗「うん。花ちゃんは身長があるから、高く投げてくれないかな?」
花「分かったわ。」
ピーッと試合開始の音が鳴り、審判がボールを投げた。
相手チームの人が先制したが、京子ちゃんがボールを拾った。
京子「えいっ!」
言われた通りに投げる京子ちゃん。そこには、相手チームの人間しかいない。
女子1「!(ラッキー!)」
だが、取ろうとしたその瞬間にボールが消えた。
女子1「・・・あ、れ?」
ザンッとボールがネットをくぐる音がして、その女子は振り返る。
麗「まずは3点ね。」
京子「すっごーい麗ちゃん!!」
花「何とか、なんてレベルじゃないわよ、これ・・・。」
麗は中央のラインから、シュートを投げ入れたのだ。
麗「さ、続けましょ。」