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ラベンダーに誘われて

第18章 未来









麗「・・・ん・・?」





目を開けると、真っ白な天井が見えた。





麗「(・・・確か、屋上にいたんだけど・・。・・・あぁ、振り向いたらバズーカが迫ってて・・・!)」




そこで気付く。あれは10年バズーカではなかっただろうか?




ガバリと起き上がると、自分が寝転がっていたのは白いクイーンサイズベッド。天蓋も付いていて正直驚いた。が、それ以上に驚いたのは自分の身体だ。




自分は制服を着ていたはず。なのに今はノースリーブの白い膝上のワンピースを1枚着ているだけ。あまり大きな声では言いたくないものの、バストの大きさも知っている自分の物ではない。
極め付けは、自身の髪の長さである。14歳の麗は、腰までの長さだったのだが、今の自分は膝下くらいまである。






麗「な、にこれ・・・?」




腕を見ると、明らかに中学生である自分の腕よりも細い。骨と皮、ほんの少しの筋肉くらいなものだろうか。




麗「・・・10年後の私の、身体・・・?」



かさりと左手に当たった何か。白くて気付かなかったのだが、雑に折りたたまれた紙があった。





あいしてる




ただ、それだけが書かれた紙。震えている文字。





麗「・・・。」




麗は悟った。


10年後、私の身体は使い物にならなくなっているのだろう。この身体は、10年後の私は、長くなかったのだろう。




麗「・・・どうして、精神だけが・・。」







ガチャリと音を立てて部屋の扉が開かれた。
麗がそちらを見ると、見た事のない人物。されど、感じた事のある気配を持つ人間がそこに立っていた。


その男は、手に持っていたトレーを落としてしまった。
トレーに乗っていたカップが壊れるのを見もせず、麗の方を見てただただ驚いていた。



「・・・麗・・?意識が、あるのですか・・・!?」




白蘭の身辺をお世話しているレオナルド・リッピ。・・・正体はグイド・グレコ。骸が憑依している人間だ。








麗「・・・むく、ろ?」








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