第17章 父親
ペタペタと道路を歩く麗。
素足だ。
麗「・・・。」
並盛中に転校して来て、今までの事が頭をよぎる。
麗「・・・楽しかった、なぁ。」
沢田くんに会えて、山本君に出会えて、獄寺君に会えて、
京子ちゃんに会えて、皆で遊びに出かけて、ハルちゃんとも知り合って、
リボーンくんにも出会った。ディーノさんにイタリアまで連れて行ってもらった。
骸にも会えた。クロームと友達になれた。犬や千種が一緒にスーパーに買い物に行ってくれた。
ヴァリアーの人達とも仲良くなれた。初めて晩酌を自分からした。
マーモンとお金の話もしたし、ベル君とゲームもしたし、買い物にも行った。プレゼントもいっぱい貰った。スクアーロとは戦った。
恭弥とも出会えた。
生徒会長をやらせてもらえた。風紀委員の人達とも仲良くなれた。
恭弥の寝顔も見れた。楽しそうに戦ってる姿も見れた。
麗「・・・忘れたく、ないなぁ。」
震える左手。
麗「・・・まだ、生きたい。自由に。」
「鷹宮麗様ですね?」
ぐるりと麗を囲うスーツの男達。
「征仁様がお待ちです。参りましょう。」
ふわりと自分の着ていたジャケットを麗にかけて肩に手を置く。
麗「・・・ゃ、よ・・。」
「・・・?麗様?」
麗「嫌っ!!!」
男の手を振り払って一歩下がる麗。
麗「私が自分で出向くわ。だから帰って!」
「我々は征仁様のご命令でこちらに来ています。」
麗「・・・私を連れて帰るまで帰れないとでも?」
「えぇ。そうです。」
麗「・・・そう。なら、仕方ないわよね。」
「お分かり頂けたようで何よりです。さ、帰りまs」
麗「実力行使をしたって、問題ないわね。」
ヒュッと男の脇腹に回し蹴りを入れる麗。
「ぐぁっ・・・!?」
麗「さっさと帰れば良かったのよ。」