第17章 父親
麗「・・・。」
麗は今、雲雀邸にいた。静かに空を見上げていた。
麗「・・・お母さん。」
自分の家出に協力してくれた母。私を見てくれて、心配してくれた母親。父親の元に置いてきてしまったが、大丈夫なのだろうか。
「麗。」
麗「・・・恭弥。」
恭弥「何人か咬み殺したけど、まだいそうだね。」
麗「・・ごめんね、迷惑かけて。」
恭弥「別に。並盛に入って来るあっちが悪い。」
麗「・・・それもそうだね。」
複雑そうに微笑む麗。
麗「・・・恭弥、これあげる。」
スッと差し出したのは麗のしていた土星のネックレス。
恭弥「・・・どうして?」
麗「・・・私より、恭弥に似合うと思ったから。あげる。」
麗は雲雀にそのネックレスをかけると嬉しそうに微笑んだ。
麗「うん。似合ってる。」
恭弥「・・・今日、僕は学校行くけど麗はどうする?」
麗「ううん。いいや。」
恭弥「・・・そう。処理しとくから。」
麗「ありがとう。・・・いってらっしゃい。」
恭弥「・・・いってくる。」
パタンッと閉められた扉を見つめる麗。
麗「・・・さよなら、恭弥。」