第16章 リング争奪戦
麗・・・麗・・・。
「麗。」
一面草原。
くるりと振り向けば彼はそこで笑っていた。
麗「骸。」
骸「大丈夫ですか?」
麗「ごめんね、骸。“貴方にそれを言わせてしまって”。」
そういって俯いてしまった麗に、驚く骸。
骸「いえ、気にしないで下さい。好きでやってる事です。」
麗「でも、クロームの内臓だけでも大変でしょう・・・?」
骸「・・・はぁ。」
溜め息をつく骸に、ビクッとする麗。
骸「いいですか麗。僕は僕のやりたいようにしています。ですので、心配なんて無用です。」
麗「・・・あり、がとう・・。」
骸「・・・この事は?」
麗「骸以外、知らない・・多分、リボーンも。」
骸「それだけで対価は十分です。貴女が弱みを見せるのは珍しいですからね。」
麗「・・・約束よ、骸。」
骸「えぇ。僕は、クロームにも言いませんよ。」
そう言ってほほ笑む骸。麗はホッと安堵した。
骸「気をつけなさい麗。彼らはヴァリアーです。」
麗「うん。ありがとう。」
目を覚ますと、見覚えのある華やかな天井。
むくりと起き上がって辺りを見回す。
「あ、姫起きた!何ともない?平気!?」
ベッドの傍にいたベルフェゴールは麗に駆け寄った。
麗「うん。ありがとう。」
ベル「・・・姫、1日寝てた。何か食べる?」
麗「ううん。いいや。・・・ねぇそれよりもベル君。」
ベル「なぁに?姫。」
麗「ベル君の後ろにあるその、箱や袋の塊は何・・・?」
ベル「あぁ、これ?全部姫にあげる!!」
麗「・・・え?」
ベル「街を散策してたんだけど、姫に似合いそうなの選んできた。服とか、アクセサリーとか。」
麗「・・・これ、全部?」
ベル「?そうだよ?だって俺、王子だもん。」
麗「・・・ふふふっ。流石、王子様。」
ベル「!・・当然っしょ?」